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チェンマイっ子がKENNY Gに熱狂した夜

カテゴリー: チェンマイ・話題ほか | 2006.12.15 Friday

 

〜12月14日JAZZ ROYAL FESTIVAL 速報〜

 12月14日、ちゃ〜お88号で紹介したプミポン国王陛下の在位60周年を祝賀するジャズ・コンサートがチェンマイ大学で開かれた。
 入場門から入ると道沿いに屋台が並び、美味しそうな香りが漂ってくる。ステージは大学構内のアートミュージアムにある庭園に作られ、両脇に巨大スクリーンが設置されている。
 ステージ前からシートが敷いてあり地面に座るエリア、座席が所狭しと並べられたエリア、そして後方にはテーブル席があり、更に後ろにビア・チャンのスペースがあった。タイのコンサートは「とにかく音量がデカイ」というのが有名な話なので前方へは行かずに、最後部のビア・チャンのテーブル席でビールを飲みながら演奏を聴くことに。前方の客席から後方のテーブル席まで様々な年齢層・国籍のグループでかなり混み合っていた。

 18時の「GEORGIE FAME」から始まり、19時過ぎに「AHMAD JAMAL」、3番目の「THE DIZZY GILLESPIE ALL-STAR BIG BAND」が終わったのが予定をオーバーして22時近く、4番目の演奏者「KENNY G」目当ての客が多いせいか途中で席を立つ姿はそれほど目立たなかったが、そのKENNY Gのステージが圧巻だった。
ケニーG 
 司会者が出番を紹介し、バンドが演奏を始めても彼はまだ現れない。「あれっ?」と思ったその時、何と客席のど真ん中にスポットライトが集まり、歓声があがった。サックスを抱えたKENNY Gが客席に登場し1曲目を演奏したのだ。何と心憎い演出。さらに驚いたのがステージに上がった彼が流暢なタイ語で挨拶したことだ。
「こんにちは。はじめまして。この街に来ることが出来てうれしいです。国王陛下の在位60周年を心からお喜び申し上げます・・・」
「皆様に私の仲間であるメンバーをご紹介いたします・・・」
 彼がタイ語を話すたびにタイ人の観客から大きな悲鳴や歓声があがる。もともと話せるわけではなく、今回の来タイにあわせて急遽覚えたらしいのだが、さすが超一流のミュージシャンは外国語を音で覚えるのか発音が素晴らしい。観客の心を独り占めにしたKENNY G。彼の前に演奏した一流のJAZZ MENがすっかり前座になってしまった。
 彼のバックミュージシャンも素晴らしく、パーカッションの黒人が力強いソロ・パフォーマンスで会場を沸かせ、ベースの欧州人も技を聴かせる。ピアノやギターもテクニシャンだ。次々とロマンティックで美しい曲を演奏したKENNY Gだが、観客が更に沸いたのが後半、「これから私達は国王陛下が作曲された素晴らしい曲を2曲演奏いたします」と言った時だ。タイ人観客が本当に幸せそうな微笑みを浮かべて演奏を聴いているのを眺めながら、こちらまで幸せな気分になった。ファランだけでなく、若いタイ人カップル、さらには中高年のタイ人夫婦も、肩を寄せ合い手を握り合って演奏に酔っているのだ。
 最後の曲をまた客席に降りて聴かせ、アンコールの1曲が終わったのは午前零時近かったが、ステージの熱気と客席の幸福感がいつまでも残る素晴らしいコンサートだった。

(文・写真 城戸可路)

 

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